老朽化したマンション経営から解放!2度の引っ越しを経て安心を手にした82歳女性
お子さんが独立し、8年前に夫を亡くしてからは一人暮らしを続けてきたSさん(82歳)。 親から相続したマンションの家賃収入で生活していましたが、老朽化をきっかけに売却を決意。土地だけで数億を得たSさんが賃貸に住み替えるまでの、さまざまな思いと決断、その経緯は?
親から相続したマンションが老朽化
娘が二人、息子が一人おり、長男と長女は神奈川や千葉、次女はSさんの家から車で10分ほどのところに住み、それぞれ家庭を持ち独立。8年前に夫を亡くしSさんは一人暮らしとなりました。
50代のとき、親から東京の新宿区に60坪ほどの土地と建物(賃貸マンション)を相続しました。4階が自宅で1階から3階が賃貸住宅。マンション経営をしながら家賃収入で暮らしていました。
「築40年以上が経過していましたが、立地が良いのと家賃を相場より安く設定したため、空室で困ることはありませんでした。長男は神奈川、長女は海外に住んでいるため、近くに住む次女に管理を任せていたんですが、修繕費などで出費はかさむ一方で…」
老朽化したマンションはあちこちメンテナンスが必要になるものです。
「子供たちに古い建物を残すより、高値で売れるうちに売って現金で残したほうが、揉め事の種が減ると考えて、思い切って売ることにしたんです」。
悩んだ末、子供たちも賛成をしてくれたので売却を決断したSさん。
「次女が不動産と交渉をして、半年もしないうちに思っていた以上に高い値段で売れました。購入した方は新しいマンションに建て替えるそうです」。
数億の大金を手にしたSさんですが、新たな悩みも。
「私が現金を手にしたせいか、今まであまり連絡して来なかった長男が、頻繁に電話をくれるようになり、孫を連れて訪ねて来るようになったんです。でも、息子の学費を援助してくれとか、お金の話も増えてきて。私の手伝いを頻繁にしている次女との関係もぎくしゃくして…」少し寂しげな表情を浮かべるSさん。
引っ越しの数ヶ月前から次女が断捨離を進め、古い家具や電化製品、衣類など、使わない荷物を次々と処分。
「全部任せちゃって、気づいたら家がすっきりしてました」とSさんは笑います。そうして身軽になり、近くのタワーマンションへ引っ越しました。
タワーマンションに住んでみたものの
入居したのは高層階の1番奥にある2LDK。エレベーターが遠いのと1階まで時間もかかるため出かけるのが億劫になり、引きこもりがちになってしまいました。
「1年くらいして、次女が『部屋があるから、うちに来たら』と何度も誘ってくれました。でも長男の手前もありますから、次女の家に住むのもどうかと思い断っていました。すると次女が『うちの近くに高齢者向けのマンションができたから、そこを借りたら?』と提案してくれて、見に行くことになったんです」。
内覧会に行くと、新築で建物も設備もしっかりしていて、受付にコンシェルジュがいるサ高住を、一目で気に入り入居することに決めました。
2度の引越しを経て生活は快適に
「4階のお部屋は、エレベーターも近いし、買い物に出やすくなったため暮らしやすくなりました。駅前のタワーマンションより、こちらのほうが管理費も家賃も低いので月々7万円ほど出費が抑えられるようになったんですよ」とSさん。
「タワーマンションは若い方やファミリーが多かったので、エレベーターの中であいさつをするくらいしか交流はありませんでした。こちらは、住人の方が同じような年代の人が多いのも良いですね。受付の女性と挨拶を交わしたり、顔見知りの方々と話すことで、孤独感も和らいでいます」。
建物内にあるレストランで顔見知りの方と会話を楽しんだり、住人の方たちと程よい距離感を保ちながら生活をエンジョイするSさんです。
「この年になって、まさか2回も引っ越しをするとは思いませんでしたが、荷物も減って身軽になったし、良い決断をしたと思います」と笑顔で語るSさんでした。
高齢になってからの住み替えは、大きな決断です。しかし、思い切って環境を変えることで、家族との距離を保ちながら安心して暮らせる毎日を手に入れる方もいます。住み替えは、暮らしやすさだけでなく、心のゆとりにもつながる選択といえるでしょう。
新しい一歩を踏み出した方々の生の声をご紹介しています。ぜひ、住まい選びの参考にしてください。
▶ 私が賃貸を選んだ理由
※本記事は、Sさんに取材した内容をもとに再構成しています。
(取材・文:ライター 松尾まみ)
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