収入要件とは、賃貸住宅や公的な支援制度を利用する際に、入居者や世帯の収入が、定められた基準を満たしている必要がある条件のことです。これは、特定の物件や制度が対象とする人に、適切にサービスを提供するために設けられています。
例えば公営住宅では、基準を超える収入があると「高額所得者」とみなされ、退去や家賃増額の対象になることもあります。ほかにも、家賃補助のある住宅や特定の高齢者向け住宅などでは、収入が低すぎても高すぎても入居できない場合があります。要件は「月収」や「年間所得」で示され、世帯人数や年齢構成によって基準額が変わることが多いです。
賃貸物件や制度利用における「収入要件」の確認ポイント
対象となる収入の範囲を確認する
年金収入がどう計算されるか、退職金は含まれるかなど、具体的な計算方法を確認しましょう。シニアの方は、年金収入のみの場合や退職後の収入変動があるため、特に注意が必要です。
公的年金（老齢年金・厚生年金など）は、多くの制度で「収入」として計算されます。在職老齢年金など、他の収入と合算して金額が変わる場合もあるため、計算方法には注意が必要です。
世帯全体の収入で判断されることが多い
夫婦や家族で入居する場合は、世帯全員の収入を合算して要件を満たすか確認が必要です。夫婦で暮らす場合、両方の年金収入を合算して判定されることがあります。
物件や制度ごとに基準が異なる
公営住宅、特定優良賃貸住宅、サービス付き高齢者向け住宅など、制度や物件の種類によって収入要件の基準は大きく異なります。興味のある物件や制度ごとに、個別の要件を必ず確認しましょう。
公的な窓口で相談する
自治体が関わる制度（公営住宅や家賃補助など）の場合、市町村の住宅担当窓口や社会福祉協議会などで相談できます。ご自身の収入状況で利用できる制度があるか、積極的に相談してみましょう。
収入要件は、入居できる物件や利用できる制度を大きく左右します。一般的に、家賃の目安は月収の3分の1以内が望ましいとされており、年金生活者の場合、月4〜6万円程度の家賃設定が現実的といえます。
事前にしっかり確認し、ご自身の収入状況に合った物件探しや制度利用を進めましょう。