原状回復(げんじょうかいふく)とは、賃貸物件を退去する際に、「借りた部屋を、入居したときの状態に戻すこと」を指します。
ただし、これは全く同じ状態に戻すという意味ではありません。国土交通省のガイドラインによると、借りた人の故意や不注意、使い方を超えた損耗(例:引っ越しで壁を大きく傷つけた、タバコのヤニ汚れ、結露を放置したカビなど)を元に戻す費用を借りる側が負担することです。
普通に生活する中でできる傷や汚れ(経年劣化)や、壁紙の色あせなどは、大家さんが費用を負担するのが原則です。
後悔しないための原状回復ポイント
1. 契約書の内容を徹底確認する
原状回復に関する特別な取り決め(特約)が契約書に書かれている場合があります。特に「通常損耗も借りる側が負担」といった内容があれば、退去時の費用が高くなる可能性があるので注意が必要です。あいまいな点は、契約前に不動産会社や大家さんに必ず確認しましょう。
2. 入居時の状態を写真・動画で記録する
退去時のトラブルを防ぐため、入居する前に部屋の傷や汚れ、設備の不具合などを写真や動画で記録しておきましょう。これにより、「これは元々あったもの」と証明でき、不当な請求を防ぐことができます。
3. 「高齢者向け」物件の特性を理解する
高齢者の入居を歓迎する物件やシニア向け物件では、原状回復の基準が一般の物件よりも緩和されているケースがあります。手すりの設置や簡単なリフォームが認められたり、通常の使用範囲での傷や汚れに対して配慮があったりする場合があるので、事前にその物件の方針を確認しておくと安心です。
4. 日頃から丁寧な手入れを心がける
結露の拭き取り、定期的な換気、こまめな清掃など、日頃から部屋をきれいに保ち、適切な使い方をすることで、退去時の修繕費用を抑えることができます。